2019年1月5日(土)6日(日)の二日間、アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴ市のサンディエゴ州立大学にて第2回JTB車いすテニスグローバルチャレンジが開催されました。 ロサンゼルスを拠点に活動するNPO団体B-Adaptive Foundation(BAF)の主催で行われた同イベントには、日本、カナダ、アメリカの各国から合計12名のジュニアの車いすテニス選手が招待され、国際親善試合が行われました。
1月2日に現地入りした日本の選手達は約5日間という短いサンディエゴ滞在の中で、試合や練習以外にも様々なアクティビティを行いました。電車を使いサンディエゴのダウンタウンを散策し、MLBサンディエゴ・パドレスの本拠地であるペトコパークを訪問。また、観光地として有名なコロナド島のビーチを訪れ、リラックスした時間を過ごしました。こうした機会を通じ、日本とは違うバリアフリーの環境を体感し、様々な事を感じてもらいました。
また、3日(木)にBarnes Tennis Centerで行われた練習には、車いすテニスのクアッドクラスのレジェンドであるデイビッド・ワグナー選手が登場。世界トップの選手と打ち合う経験をしたと同時に、ワグナー選手が気兼ねなく自分たちと接する姿を目の当たりにし、世界のトップアスリートのロールモデルとなるべき姿勢も自らの体験を通して学びました。
4日(金))にはアメリカ、カナダの選手も現地入りし、5日(土)には国別対抗の親善試合が行われました。各選手がシングルス2試合、ダブルス2試合ずつの計4試合を行う総当たり戦で優勝を争いました。試合は日本チームが最も多くの勝利を収め、優勝を飾りました。
この日の夜には選手、コーチ、スポンサー、スタッフが一同に会し、レセプションが行われました。当初、言葉の壁からか少しためらいを見せていた選手ですが、会が進むに連れて携帯電話を取り出し、一緒に写真を撮ったり、連絡先を交換したりとすっかり打ち解けた様子を見せていました。
6日(日)は国や性別に関係なくダブルスのパートナーを決め、交流試合を行いました。前日のレセプションで交流を持った事もあり、この日は終始和やかなムードで試合が行われ、言語の異なるパートナーともスムーズにコミュニケーションをとりながらプレーする様子が印象的でした。
2回目の開催となったグローバルチャレンジですが、選手たちには保護者を伴わない渡航をお願いしています。遠方から参加となる日本選手の中には、初めて海外に渡ったという選手もいました。それどころか、数日間に渡って親元を離れる事が初めての経験だというケースもありました。それでも、選手同士が助け合い、そうしたチャレンジを一つ乗り越えることによって、大きな自信になってくれたと思います。
もちろん、彼らがアスリートとして成長し、この選手たちが2028年のロサンゼルスパラリンピックに出られるような選手になってくれればとても嬉しい事です。しかし、それ以上にこれらの活動を通して人にはできない様々な経験をしてもらい、たくさんの事を感じて欲しいと思っています。そして、この選手達が成長した時に、多様性に対して寛大な社会を築くリーダーとなって行って欲しいと願っています。